土地物件の実勢価格

土地物件の実勢価格とは

実際土地物件が売買されている価格を実勢価格と言います。

最も気になる、その土地物件を購入する時の価格です。

ただし、土地を売買する場合の価格は売主と買主の合意によって価格が決まりますので、実勢価格とはその周辺の同じような状況の土地物件の売買事例から推測することになります。

もちろん、売主と買主の合意によって価格が決まるものですが、取引事例を複数集めてみると、特別な事情がない公平な取引であれば、ある一定範囲の価格帯で取引されているのが分かります。

これこそが、その周辺の土地物件の相場で実勢価格とよばれるものなんです。

実勢価格は過去の取引事例を参考にする性質上、得られる取引事例の数が少ない地域では正確性に欠けることがありますので、不動産会社の売り出し価格なども参考にします。

土地物件は広さにバラツキがありますので、実勢価格は坪単位や㎡単位で把握し、対象物件の面積に乗じて計算します。

 

 

土地物件の実勢価格を調べる方法

新聞広告、タウン誌などの不動産情報で調べる

最も大雑把な方法ですが、これでもおおよそ検討がつきます。

新聞広告やタウン誌には不動産情報がたくさん掲載されています。

その中で自分が土地物件を探しているエリアの土地情報を見つけます。

そこには、土地物件の価格、面積などが記載されていますので、坪単位や㎡単位の価格はすぐわかります。

建物付で、その建物が比較的新しい場合は建物の価値が価格に含まれてしまいますので、土地だけの実勢価格は判別しにくいんですが、築25年を過ぎた木造の建物付きの場合(リフォームされていない場合)は、建物の価格は基本的の0ですので、販売価格=土地の価格と考えていいでしょう。

これによって、そのエリアのおおよその実勢価格がわかります。

 

土地総合情報システムで調べる

国土交通省は不動産市場の信頼性・透明性を高め、不動産取引の円滑化、活性化を図るため、平成18年4月より、不動産取引当事者へのアンケート調査に基づく不動産の実際の取引価格に関する情報を四半期毎に提供しています。

日本全国で約250万件の情報を網羅していますが、アンケート回答で得られたデータですから土地取引のすべてを網羅しておらず、土地物件を探している地域の情報が少なければ、別途調べる必要があります。

土地総合情報システムの不動産取引価格情報検索はこちら

 

不動産仲介業者の販売価格で調べる

上述の「新聞広告、タウン誌などの不動産情報で調べる」も不動産仲介業者の情報ですが、この情報は不特定の対象に広く情報を発信しているものです。

今回の「不動産仲介業者の販売価格」とはインターネットや不動産屋を訪ねて自ら積極的に情報を取りに行くものです。

不動産仲介業者が現在売りに出している土地の価格を調べてみることで、ある程度は目的エリアの土地の価格を推測することが可能です。

インターネットで価格を調べる場合は、「目的のエリア(地名)・土地」、「目的のエリア(地名)・不動産」などのキーワードで検索すると、様々な不動産仲介業者のサイトが出てきます。

その中から目的エリアの土地物件の価格をピックアップするんです。

不動産屋を訪ねる場合は、店頭に不動産情報が出ていますが、それ以外の物件もありますので直接尋ねたほうが詳しい情報が得られます。

また、その地域に特化している不動産屋であれば、大体の相場はよくわかっていますので、有益な情報が得られるでしょう。

インターネットや不動産屋で得られる情報は売り物件の販売価格です。

これは売主の意向、つまり少しでも高く売りたいといった販売価格です。

実際成約する際は買主と交渉が入るため、たいてい売り出し価格よりも低い価格で取引されます。

このことは頭に入れておいた方がいいでしょう。

 

不動産仲介業者の査定価格で調べる

これは実際の売買から価格を判定するのではなく、不動産仲介業者がその土地を査定して価格を出す方法です。

不動産仲介業者は、相場観に見合った適正な価格で市場に土地を提供しなければ、不特定多数の買主に興味を持ってもらうことができません。

ですから不動産仲介業者は土地を査定して価格を提供するサービスを行っています。

査定はほとんど無料ですし、査定をしたからといって契約しなければならないなんてこともありません。

販売価格から実勢価格を算出する方法は“他の事例”を参考にするのに対し、査定は価格が知りたい土地を対象に行われるため、個別の事情を反映されやすいことがメリットです。

価格査定には簡易査定と詳細査定(訪問査定)の2つがあります。

簡易査定は住所、広さ、前面道路などの情報から算定するのに対し、詳細査定は仲介業者が現地を訪れて、周囲の環境なども考慮しながら算定します。

簡易査定であればわざわざ仲介業者を訪ねなくてもインターネットで簡単に行うことができます。

複数のサイトで目的の土地物件の簡易査定を行えば、おおよその相場観は掴めるはずです。

 

まとめ

土地物件の実勢価格は、土地を購入する際の価格ということで土地探しをしている人にとっては最も気になる価格だと思います。

土地物件の実勢価格は、実際の販売事例や不動産仲介業者の査定によって判断します。

実際の売買は売主と買主の合意によって成立するものです。

売主は少しでも高く売りたい、買主は少しでも安く買いたいというのが人情です。

しかし、売主に事情があって売りを急いでいる場合などは思わぬ安値で買えたりケースもあるんです。

土地物件の実勢価格を充分理解し、少しでもお得に土地を購入したいものですね。

次のページでは土地物件の公示地価、基準地価について説明します。

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